「CMDBって聞いたことあるけど、いまいちピンとこない」
「でも、今さら人に聞けない」
そんなあなたのための記事。ややこしい用語を使わず、頭の中にスッと入るように、しかも3分で理解できるように整理した。あなたの時間をムダにしない構成になっている。
Contents
CMDBとは何か?わかりやすく言い換えると
CMDBは「Configuration Management Database」の略。
IT資産の“なんでも帳簿”と考えればよい。
会社にあるパソコン、プリンター、ネットワーク機器、サーバー、ソフトウェアなどの情報をまるっと記録しておく巨大な一覧表。
ただ記録するだけではない。
- どこにあるのか
- 誰が使っているのか
- どのソフトがどのパソコンに入っているのか
- 故障したらどんな影響があるのか
こうした「つながり」や「関係性」まで含めて管理する仕組みがCMDB。
ITの世界では、これを「CI(構成アイテム)」という単位で管理している。CIとは、ひとつひとつのIT機器やサービスのこと。
CMDBがなぜ価値を生むのか
情報が整っていないと、何がどこにあるのか、どこが壊れているのかがすぐにわからない。
たとえば、会社のサーバーが突然ダウンしたとする。
そのサーバーにどんなアプリケーションが動いていたか、誰が使っていたか、どの部署の仕事に影響があるか。
CMDBがないと、こうした情報を探すだけで数時間かかることもある。
CMDBがあれば、数クリックで全部わかる。
もう少しわかりやすく言うなら、CMDBは「会社のIT地図帳」。
地図があれば、どこに何があるか、どうつながっているかがすぐわかる。
地図がなければ、手探りで探すしかない。
CMDBはなぜ今注目されているのか
ServiceNowのCEO、Bill McDermottはCMDBについてこう語っている。
「ビジネスのスピードを止める最大の要因は、見えないITの混乱だ。CMDBはそれを可視化し、制御する唯一の手段だ」
クラウド、モバイル、SaaSなど、ITの形はどんどん複雑になっている。
昔はひとつの建物の中にサーバーやPCが並んでいたが、いまは全世界に分散している。
この環境で「誰が何を使っているか」を把握するのは至難の業。
だからこそ“ITの見える化”が求められている。
その中核がCMDB。
CMDBで管理するのは物だけじゃない
CMDBはパソコンやサーバーだけを管理するわけではない。
最近では「サービス」という抽象的なものもCIとして管理対象にしている。
たとえば:
- 「給与計算システム」
- 「オンライン注文サービス」
- 「社内ポータルサイト」
これらは物理的なモノではないが、複数の機器やアプリが連携して動いている。
この構成を「サービスマップ」として図にしておくことで、「この機能が止まると、誰が困るのか」がすぐにわかる。
トラブル時の初動が格段に早くなる。
ServiceNowとCMDBの関係
CMDBはどのIT管理ツールにも存在するが、特に有名なのがServiceNowのCMDB。
ServiceNowのCMDBは階層構造を持ち、親子関係でIT資産を分類できる。
例:
- 「ハードウェア」クラス → パソコン / サーバー / ネットワーク機器
- 「ソフトウェア」クラス → OS / 業務アプリ / ドライバ
それぞれがテーブル(表)として実装されており、属性(名前、型番、設置場所など)が列として用意されている。
図で示すと以下のような構造になる:
Hardware (親)
├── Computer(子)
│ ├── Server(孫)
│ └── Laptop(孫)
├── Printer(子)
└── Network Gear(子)
この階層構造によって、「あるPCがどのサーバーに依存しているか」や「そのサーバーはどのラックにあるか」までひと目で把握できる。
たとえ話でCMDBをイメージする
CMDBを「レゴの説明書」に置き換えてみる。
レゴブロックひとつひとつがCI(構成アイテム)。
どのブロックがどこに配置され、何とつながっているかが書かれている説明書。
これがなければ、崩れたときに元通りにするのは無理。
CMDBがあれば、「全体の構成がどうなっているか」を把握したうえで、「どこに不具合があるか」をすぐに特定できる。
もうひとつの視点:なぜCMDBの整備は失敗しがちか
Forbes Tech Councilは、CMDBの運用についてこう指摘している。
「多くの企業が“CMDBの導入”に力を入れるが、“継続的な更新”を怠ることで形骸化している」
CMDBは作って終わりではない。
機器が増える、減る、ソフトが更新される、クラウドに移行する。
情報は常に変化する。
つまり、「更新し続ける仕組み」こそが成功のカギ。
ServiceNowでは、Discovery機能や外部DB連携によって、自動でCIを更新できるようになっている。
ここが手作業ベースのCMDBと大きく違う点。
まとめ
CMDBは、会社のITを「見える状態」に保つための地図。
IT機器やソフト、サービスがどこにあり、どうつながっているかを把握することで、トラブル対応、コスト削減、業務効率が一気に変わる。
ただのデータベースではなく、会社のITを「動かす力」を支える基盤。
意味と価値を正しく理解することで、あなたの組織が抱えるITの「見えない不安」が、少しずつ見える安心へと変わっていく。